ミクロ相分離構造を内包したポリイミド微粒子の創生、炭素化、および電極触媒への展開
【研究キーワード】
ポリイミド / マルチブロックコポリマー / ミクロ相分離 / 微粒子 / 炭素 / 電極触媒
【研究成果の概要】
ミクロ相分離構造を発現し得るポリイミドとして、柔軟鎖と剛直鎖を有するマルチブロックコポリマーを設計した。柔軟鎖としてアルキル鎖やシロキサン鎖を含むジアミンを数種類新規に合成することに成功した。剛直鎖としては市販のテトラカルボン酸二無水物に加えて、ベンゼン環を4から10個程度含むモノマーを数種類検討した。モノマーの構造は核磁気共鳴法と赤外吸収分光法によって決定した。ポリイミドの合成において、モノマーの分子量の決定は特に重要であるので、いくつかの手法を用いて慎重に検討を行った。これらのモノマーを開環付加重合反応と、それに続く熱閉環反応に供することによって、粉末状のポリイミドサンプルを得た。粘度測定の結果、十分な分子量を有するポリマーが得られたことが分かった。得られたサンプルを熱重量分析、小角X線散乱、広角X線回折、示差走査熱量測定によって解析した。その結果いくつかのサンプルで、恒等周期長が数ナノメートルの規則的な構造が発現していることが示唆された。このような構造は本研究が目指している、メソポーラス構造の発現に適しているので、好ましい現象である。一方で、恒等周期長が数十ナノメートルに達するようなミクロ相分離構造を見出すまでには至っていない。剛直鎖と柔軟鎖の長さの比がさらに異なるポリイミドを用意し、またアニーリングの条件などを詳細に検討して、作り出せる恒等周期長の範囲をさらに広げることが肝要であると考えられる。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)