新規放射線治療新規バイオマーカー確立およびメカニズム解明研究
【研究キーワード】
ncRNA / がん / 放射線 / 放射線治療 / バイオマーカー / lncRNA / 非コードRNA
【研究成果の概要】
非侵襲性の特徴があるがん放射線治療の重要性が増しています。本研究は、タンパク質の鋳型とならない非コードRNA(non-coding RNA; ncRNA)を切り口にして放射線治療新規マーカ ー確立を目的としました。治療モデルとして、放射線を照射した各種がん由来培養細胞を用いました。まず、定量PCRを用いた解析により、発現変動するncRNAをいくつか同定しました。また、FISH法やIF法を用いて、局在変化するncRNAやタンパク質も同定出来ました。ただ、免疫沈降法やフィルター結合法を用いたものの、これらのncRNAとタンパク質間での相互作用を確認することは出来ませんでした。
【研究の社会的意義】
放射線照射によって発現が増加したncRNAをいくつか見つけることができました。特にその中でもほとんどまだ機能がわかっていない長いncRNAであるlong non-coding RNA(lncRNA)の中からもいくつか見出すことができました。作り出されているRNAのうち、高等生物になるほど一番多くの割合を占めているのがlncRNAです。今後さらなる研究でこのlncRNAが放射線治療に関わる詳細なメカニズムが同定できれば、社会的にインパクトが大きく、かつ正確性の高いバイオマーカーを確立できて、より治療予後が良好になることが期待でき、がん患者が増えている昨今において、社会的に有意義であると言えます。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)