ウイルス可視化のためのプラズモニック半導体センサ
【研究キーワード】
SPR / MEMS / Electrical Detection / SPRセンサ / ウイルス / ショットキー障壁 / 表面プラズモン共鳴
【研究成果の概要】
本研究は環境中の不可視なウイルスをリアルタイム検出する技術の実現を目的とする。このために、ラベルフリーで化学量計測が可能なプラズモニック半導体センサの研究を進め、ウイルスを高感度かつ選択的に検出する方法を実現する。センサを小型可搬にしてウイルスをその場認識可能とし、安全な生活環境の実現に貢献する技術を提供する。
2020年度の取り組みでは、、プラズモニック半導体センサの研究を進める上で重要となる、回折格子による効率的な背面照射による表面プラズモン励起構造の実現に取り組んだ。結果として、はSU-8を材料としたポリマー基板内部に、シリコン製のナノ回折格子を埋め込む構造を試作し、この構造上で背面照射により理論と整合する共鳴が得られた。一方で、この構造は試作プロセスの難度が非常に高いものであるため、より簡易的に試作可能な方法を2021年度に探索した。
具体的には、シリコン基板表面にトレンチを作り、そのトレンチ上に金属を成膜した構造であり、数値計算方法(RCWA法)により探索した。数値計算上では、背面からの照射に対する良好な共鳴、そして、センサ面の屈折率変化に対して適切な共鳴シフトを示すことから、有望構造として試作を進めた。ナノリソグラフィにより試作構造が完成した。現在、背面照射による応答測定は検証途上にあるが、表面側(試料面)側からの光照射によるSPR励起は確認しており、同時に応答の電流測定にも成功している。この結果を受けて、2022年度は背面照射からのSPR励起の確認、水試料に対するSPR応答の電流測定などを実施する。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
瀧 真清 | 電気通信大学 | 大学院情報理工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
岩瀬 英治 | 早稲田大学 | 理工学術院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-07-30 - 2023-03-31
【配分額】26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)