新規犬骨髄間葉系幹細胞による肝細胞成長因子デリバリーを利用した犬の脊髄再生医療
【研究分野】獣医学
【研究キーワード】
犬 / 脊髄再生医療 / 間葉系幹細胞 / 脊髄損傷 / 再生医療 / 肝細胞成長因子 / 静脈投与 / 生体内イメージング / 骨髄間葉系幹細胞 / In vivo イメージング
【研究成果の概要】
新規犬間葉系幹細胞を用いた犬の脊髄再生医療の開発を目指し、急性期および亜急性期脊髄損傷モデルに対するBM-PAC移植の治療効果をBM-PACからの液性因子分泌に着目して評価・解析した。急性期および亜急性期脊髄損傷に対しBM-PACを静脈内投与したところ、BM-PACは損傷部位へHomingした。また、急性期では肝細胞成長因子(HGF)、亜急性期では血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などの液性因子の分泌を開始、組織損傷抑制・保護効果あるいは組織再生効果を発揮することで、運動機能回復の促進に寄与することが示唆された。本研究から、BM-PACの静脈内投与による犬の脊髄再生医療の臨床応用が期待できる。
【研究の社会的意義】
犬では脊髄損傷が多く、重症例では術後の歩行回復が十分ではなく、動物のみならず飼主のQOLも著しく低下する。近年、これらの症例に対するMSCを用いた脊髄再生医療が導入されるようになっているが、科科学的根拠に不足し、MSC移植の効果に期待した盲目的な投与が多くなっている。本研究は、独自に見出した新規MSCであるBM-PACを用い、脊髄再生医療に利用できる性質を有していること、また、動物モデルを用いた有効性・安全性試験を通し、移植法の妥当性、運動機能回復効果が得られるメカニズムについて明らかにし、科学的根拠に基づいた犬の脊髄再生医療を開発に貢献した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
藤田 直己 | 東京大学 | 大学院農学生命科学研究科(農学部) | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究協力者】 |
位高 啓史 | |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)