「世界」を拓く触知性の発達
【研究分野】オラリティと社会
【研究キーワード】
乳児 / 触覚 / 触知性 / コミュニケーション / 個人差
【研究成果の概要】
触覚が「触知性」の発達を促し、身体を用いた触コミュ ニケーションにつながる過程を明らかにすることを目的とした。寝かしつけ等の場面にて、乳児と養育者の能動的な触コミュニケーションが行われていることを確認した。また触経験を定量的に計測するため、なでる、タップする等の状況で身体の生理・脳機能状態を計測する環境を確立した。さらに、家庭内にて、皮膚に生じる圧力状態をリアルタイム計測することに成功した。これらの検討をふまえ、ヒトの初期発達において、「触る」・「探る」といった行為から拡がるオラリティの発達過程を議論した。
【研究の社会的意義】
基本的な感覚のひとつである触覚を、世界とつながるコミュニケーションのための知性として捉え、その発達過程を議論した点が本研究の特色である。日常生活における乳児の触経験によって生じる生理学的・脳機能的活動の計測は、オラリティ(他者理解、共感、共鳴、共存の能力)の芽吹きにつながる乳児期の経験を理解するために役立つ。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-07-18 - 2022-03-31
【配分額】4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)