脳外傷のリハビリにおける帰結研究に向けた包括的評価尺度と基盤データベースの開発
【研究分野】リハビリテーション科学・福祉工学
【研究キーワード】
頭部外傷 / 高次脳機能障害 / 認知障害 / リハビリテーション / 広域LAN / データベース
【研究成果の概要】
本研究は脳外傷患者におけるリハビリテーション帰結を検証するためのデータベース運営を目的としている。本研究は長期フォローの介入指標として研究デザインを検討し、慶應義塾月が瀬リハビリテーションセンターで倫理委員会による承認を受けた。平成17年度よりネットワークシステムの構築に着手し、平成18年3月から頭部外傷リハビリテーションデータベース(Brain Injury Rehabilitation Database;BIRD)の運用を開始した。慶應義塾月が瀬リハビリテーションセンター(静岡県伊豆市)と慶應義塾大学医学部(東京都新宿区)を広域LANで結び、サーバー上のアプリケーションに対して直接データを登録、修正できる仕組みを構築した。データベースにはファイルメーカーPro Version 5.0(ファイルメーカー社製)を用い、 ADLの評価尺度であるFIMを含む144項目(フィールド数約500)から構成されるデータフィールドについてCommon Gateway Interfaceを利用してWebブラウザ上からの操作を可能とした。平成20年3月現在56名(平均年齢54.28±23.67歳、男30名/女26名)のデータが蓄積されている。四肢の運動機能における障害が軽度である症例においても、記憶障害や注意障害などが阻害因子となり自立した生活や復職が困難となるため、急性期病院からの自宅退院率は48.2%にとどまり、高次脳機能障害に対する対応の重要性が改めて浮き彫りとなった。
【研究代表者】