先天性側弯症に対する遺伝的解析による病態の解明
【研究分野】整形外科学
【研究キーワード】
先天性側弯症 / 脊椎肋骨異形成症 / 全エクソン解析 / TBX6 / TBX6遺伝子 / 脊椎肋骨異骨症 / LFNG遺伝子 / 遺伝子 / 肋骨癒合を伴う先天性側弯症 / 脊柱側弯症 / エクソーム解析
【研究成果の概要】
先天性側弯症(以下、CS)は脊椎の椎体の形成異常に起因する脊柱側弯症である。一方、脊椎肋骨異形成症(以下、SCDO)は極めて稀な骨系統疾患で、肋骨や脊柱にCSよりもはるかに重篤な形成異常を引き起こす。共同研究グループは、CS 196例、SCDO 4例の日本人患者においてTBX6遺伝子の異常を調べた結果、TBX6を含む16番染色体の16p11.2の欠失例を5例、スプライスサイト変異を1例、ミスセンス変異を5例に同定した。さらに78例のCSに対して全エクソン解析を行い、78例中1例にLFNG遺伝子にミスセンス変異を発見し、CSの新規原因遺伝子であることを明らかにした。
【研究の社会的意義】
原因遺伝子とその遺伝様式が解明されれば、妊娠前の発症予測、出生後の進行予測が可能になる可能性がある。進行が予測される場合には、軽度の側弯症の段階で進行予防の低侵襲手術が可能になる。妊娠前の予測が可能になると、発症の可能性がない場合は、精神衛生上の問題も解決される。またCS発症進行予測モデル (キット) の製品化の可能性がある。本モデルは日本人だけでなく、中国人、アジア人、欧米人に対して適応できる可能性が高いため、製品はそれらの国々で使用される可能性がある。さらに、発症遺伝子の解明、進行遺伝子の同定により発症のメカニズムが解明されれば、創薬の開発等も現実になる可能性がある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
武田 和樹 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 訪問研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)