創傷治癒における問葉糸幹細胞の動態解明およびその組織工学的応用
【研究分野】形成外科学
【研究キーワード】
間葉系幹細胞 / マウス / 骨髄 / レトロウィルス
【研究成果の概要】
マウスの骨髄間葉細胞は、他種の骨髄間葉細胞と違って、大量のマクロファージが混入するため、選択培養が非常に困難である。われわれの当初のレトロウィルス感染間葉系幹細胞でもマクロファージ混入は避けられず、移植実験における結果の解析が困難になることが予測された。そこで、われわれは、本研究をはじめるにあたり、間葉系幹細胞の選択培養とレトロウィルス導入を同時に実現する手法の開拓し、各種レトロウィルスの導入を試みた。
マウス初代骨髄培養細胞を播種した際、間葉系細胞はごく早期に増殖が始まり、マクロファージは間葉系細胞をフィーダーとして、4日目ごろから増殖をはじめる。この時間差を利用して、われわれは培養開始後1、2日目のみにCRIP由来のamphotropicなレトロウィルス(neo-LacZ)を感染させ、G418存在下で培養を継続したところ、薬剤にて選択された細胞はすべてβ-galactosidase活性を有する間葉系細胞であった。さらに、各種分化誘導因子にてin vitroで分化誘導を行なったところ、これらの細胞は、骨、脂肪、軟骨に分化した。この結果は、レトロウィルス早期感染が間葉系幹細胞選択に有効であることを示す。以上の手法は、別のamphotropic cell line由来のGFP-レトロウィルスでも有効であった。
さらにわれわれはこの手法にamphotropic,ecotropicのいずれのウィルスが有効であるかを見るために、レトロウィルスproducer cell line,CRIP(amphotropic)とCRE(ecotropic)由来ウィルスの感染率を比較したところ、CRE由来のウィルスには選択能がないことが確認され、培養早期のマウス間葉系幹細胞にはecotropic receptorが存在しないことを示唆させた。今後、感染率を上昇させ、動物移植実験を進める予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
北野 幸恵 | 東京大学 | 医学部・附属病院 | 医員 |
岡崎 睦 | 東京大学 | 医学部・附属病院 | 教務職員 | (Kakenデータベース) |
吉村 浩太郎 | 東京大学 | 医学部・附属病院 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】12,300千円 (直接経費: 12,300千円)