西洋・日本の植民地主義と「近代」:比較研究のパラダイム構築に向けて
【研究分野】史学一般
【研究キーワード】
植民地帝国 / 日本 / ヨーロッパ / 比較 / 植民地近代性 / 植民地主義 / 混血 / 多文化主義 / 人種主義 / 文化 / 記憶 / 近代 / 教育 / 伝統の創造 / 医療・衛生 / 帝国 / アジア・アフリカ / 東アジア
【研究成果の概要】
本共同研究では、日本(朝鮮、台湾、沖縄等)とヨーロッパ(イギリス、フランス、オランダ、スペイン、ドイツ等)の植民地史を、「医療」「官僚制」「人種主義」といった<近代性>の問題系に属する主題を軸に再検討した。植民地主義をグローバルな文脈で共同研究するにあたっての<比較>の必要性と危険性の両方に十分に注意を払いながら、様々な支配経験に関する実証研究を突き合わせ、相互参照を可能にする枠組および概念の創出を目指した。その結果、近年の植民地研究の鍵となっている「植民地近代性」(colonial modernity)の概念の可能性と限界が明らかになった。また共同討議の過程で、議論の対象とした植民地帝国のそれぞれが、他国との<比較>によって自国の支配を正当化し統治政策を策定していた歴史像が浮かび上がってきた。<比較>それ自体を歴史研究の対象として主題化し、植民地主義の一部としてそれを根底的に検証し直す必要性が理解されるに至ったのことも、本研究の重要な成果の一つである。
【研究代表者】