新しい抗高血圧薬の開発:血管内皮由来弛緩因子前駆体としてのL-アルギニンと誘導体
【研究分野】薬理学一般
【研究キーワード】
L-アルギニン / 抗高血圧薬 / 一酸化窒素 / EDRF / 血漿cGMP / 亜硝酸塩、硝酸塩 / シトルリン / 内皮 / 本態性高血圧症 / 原発性アルドステロン症 / 腎血管性高血圧症 / 一酸化窒素(NO)
【研究成果の概要】
内皮由来弛緩因子の前駆体としてのL-アルギニンは、血圧正常者ではわずかに血圧が低下し、各種高血圧患者では正常レベルに近い値まで降圧作用を示した。in vivoの血漿cyclic GMP増加、血漿シトルリン増加、尿中硝酸/亜硝酸イオン排泄増加、あるいは培養内皮細胞でのL-アルギニンによるNO産生作用より、内因性NOの産生増加によるものと孝えられた。
無麻酔、無拘束で測定できる実験系として代表的実験動物である犬では、人と同じ投与量では、腎血管の血流量は増加したが、全身血圧の低下は見られなかった。
現在までに合成された、α炭素のアミノ基またはカルボキシル基を修飾した新規L-アルギニン誘導体7種類につき、NO合成酵素阻害作用あるいは基質としての作用を検討した結果、現在のところ生物活性を有するものは見いだされていない。
ドリンク剤について検討した。一日量30gを3回に分けて経口的に投与した。服用後、やや軟便の傾向あったが、この他には、自覚症状は特になかった。L-アルギニン経口投与にて、L-アルギニン10g内服後の血漿中濃度は0.2mM程度にまで増加した。しかし、降圧作用は見られなかった。これは降圧に必要な濃度が少なくとも0.5mM程度である以前の結果と一致していた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
惣中 一郎 | 味の素株式会社 | 中央研究所 | 研究員 |
鈴木 洋通 | 慶應義塾大学 | 医学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
猿田 享男 | 慶應義塾大学 | 医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】試験研究(B)
【研究期間】1991 - 1992
【配分額】11,700千円 (直接経費: 11,700千円)