SERCA治療介入による心不全患者に投与可能な抗不整脈薬の研究、開発
【研究キーワード】
心室性不整脈 / 心不全 / 心室頻拍 / SERCA / カルシウム / 筋小胞体
【研究成果の概要】
現在はSKI(SERCA C674S mutant Kock-in Mice)マウスに対するアンギオテンシン(ANG)IIとHypoxiaによる研究を行っている.
AngII負荷においては不整脈誘発の実験を行った。1週間のAngII皮下ポンプ負荷では左室収縮能力は低下しないものの、電気生理学的検査でVTが多く誘発された。Caトランジエント、スパーク、カフェイン実験を行うと、筋小胞体からのCaスパークの増加とSRのCa枯渇、ピークCaトランジエント(F/Fo)の低下を認めていた。SERCA機能不全は左室収縮能と関係なく、Caハンドリング異常を介して不整脈を増加させることが確認でき、欧州不整脈学会(EHRA 2020.4)においてYIA basic research部門に選出され高い評価を受けた。
また、我々は酸素環境下における、低酸素暴露肺高血圧モデル(HXPH)におけるSKIの右室肥大についても実験を施行しており、4 週間 10% HXPHを行なうと、WT、SKI とも HXPH で同等の右室収縮期圧上昇と肺動脈リモデリングを認めたが、Fulton Index(RV weight/IVS+LV weight)がWTと比較してSKIで高くなっており、HXPH環境下においてよりSKIで右心肥大を認めた。右室単離心筋 CaトランジエントはピークCaトランジエント(F/Fo)の低下およびTime to 50% relaxation (T50)の延長を認めており、Caハンドリング異常による右心不全についても検証しており、以下学会で報告した。
また、不整脈の解析方法の確立も行っている。オプティカルマッピングの新たな観察方法および解析方法の確立も同時に行っており、ex vivoにおける心室性不整脈の観察をより詳細に解析できるよう研究を継続している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
湯浅 慎介 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)