自然免疫センサーの動作機構と新規制御機構の解明
【研究キーワード】
自然免疫 / 構造生物学 / Toll様受容体 / クライオ電子顕微鏡 / 構造生物 / Nod様受容体 / TLR / X線結晶解析
【研究成果の概要】
自然免疫は病原体の感染をいち早く察知し炎症反応を引き起こす一方、後に続く獲得免疫を誘導するという極めて重要な役割を果たす。本研究では自然免疫に関わるタンパク質に注目し、リガンド認識機構、活性制御機構を明らかにすることを目的とした。細胞質型の自然免疫センサーとしてADP結合型のNOD2の構造解析に成功し、詳細な構造を明らかにした。またLRRドメインにリガンド結合部位と思われる領域を同定した。また一本鎖核酸を認識する膜結合型の自然免疫センサーであるTLRの構造研究にも取り組みその共通性を見出した。さらにmRNAの安定性を制御するRoquin-2の構造解析にも成功しそのRNA認識機構を明らかにした。
【研究の社会的意義】
NLRの構造は数例に限られており、NOD2の構造情報はNLRの活性化機構を解明するうえで重要な情報となる。すでに構造解析されているNLRの一つNLRC4と比べてもドメイン配置が大きく異なることが初めて明らかにされた。一本鎖核酸を認識するTLRが有する共通性「リガンド結合部位が2ヶ所あり別のリガンドが各部位に結合することにより協調的に活性化する」を解明したことは大きなインパクトを与えた。特にTLR7,8は低分子化合物によって活性化されることが知られており、立体構造情報はあらたな化合物開発に多大な貢献を示すと考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
柴田 琢磨 | 東京大学 | 医科学研究所 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】45,890千円 (直接経費: 35,300千円、間接経費: 10,590千円)