ダメージ関連分子による炎症・免疫応答系の制御機構の解明
【研究キーワード】
免疫シグナル伝達 / 炎症 / 腫瘍免疫 / 自然免疫受容体 / サイトカイン / 恒常性維持 / TCTP / がん / DAMPs / 核酸 / HMGB1 / 自己免疫疾患 / 免疫原性核酸 / DAMP / 疾患
【研究成果の概要】
本研究の目的は、自己由来分子による炎症・免疫応答の調節機構を解明し、その破綻としての各種疾患の発症についての理解を深めることにある。死細胞やスト レスを受けた細胞からダメージ関連分子パターン(Damage-associated molecular patterns; DAMPs)と呼ばれる自己由来分子が放出され、それらが炎症・免疫系を調節することが注目されつつある。しかしながらその本体や作用機構には未知の点が多い。申請者らは、代表的なDAMPであるHMGB1(High-mobility group box-1 protein)の機能解析を推進するとともに、TCTP(Translationally-controlled tumor protein)やU11 small nuclear RNA(U11 snRNA)をはじめとする新規DAMP分子群を独自に同定している。本年度において、細胞外HMGB1の機能を解析するため、恒常的にHMGB1を細胞外に放出させる仕組みを組み込んだコンディショナルノックインマウスを作成し、交配を進めている。また、細胞外に放出されたTCTPが腫瘍微小環境中に骨髄由来免疫抑制細胞(PMN-MDSCs)をリクルートし、抗腫瘍免疫応答を抑制することを突き止めた。従って、細胞外TCTPは腫瘍増殖を促進することを明らかにした。またさらに、TCTPに対する阻害剤の投与により腫瘍増殖が抑制されることも見出した。このように新規DAMPとしてTCTPの解析を進める一方、免疫応答制御に関わる新たなDAMPsについて同定と解析も進めた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
半谷 匠 | 東京大学 | 先端科学技術研究センター | 客員研究員 | (Kakenデータベース) |
柳井 秀元 | 東京大学 | 先端科学技術研究センター | 特任准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】43,940千円 (直接経費: 33,800千円、間接経費: 10,140千円)