組織透明化法による乳房外パジェット病の立体構造の解析
【研究キーワード】
皮膚病理 / 乳房外パジェット病 / 組織透明化 / 立体構造 / 三次元
【研究成果の概要】
令和3年度は同意の得られた複数の乳房外パジェット病の原発巣の検体を対象にCUBIC 法による組織透明化を実施し、その過程で組織に含有するメラニン顆粒を脱メラニン化をおこなった。原行の方法で透明化されるものの、日数を要すること、溶媒の融点が比較的高く、冬期には室温で結晶が出現するリスクがあることなどが課題である。その後、解析する蛋白質を標的とした抗体と反応させ、光発色処理を経た後に光シート顕微鏡で標的とする細胞や蛋白質の分布を解析した。透明化や脱メラニン化の過程では、組織を構成する細胞の位置情報や構成蛋白質の抗原性が部分的に失われる可能性があるため、処理後は表皮細胞、腫瘍細胞、血管内皮細胞、各種血球細胞、基底膜等のマーカーとなる諸蛋白質の抗原性が保持されているのかを免疫組織化学染色によって検討した。GCDFP-15の抗原性は保持されているものの、乳房外パジェット病における感度は必ずしも高いとは言えず、現在我々は乳房外パジェット病に特異的で浸潤に関係していると思われる蛋白Xに注目している。蛋白Xについて過去検体を用いて表皮内癌、浸潤癌の染色性を検討している。今後本蛋白での染色を行うことを考えている。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)