経済発展と村落共同体の制度変化:ミクロパネル実証と比較分析によるメカニズムの解明
【研究分野】経済政策
【研究キーワード】
共同体 / 資源管理 / 制度変化 / フィールド実験 / アジア / 開発経済学 / 実証分析 / フィールド調査
【研究成果の概要】
このプロジェクトでは、調査対象として選ばれた4か国6地域で順次現地調査を展開し、収集したデータを分析してゆく計画である。それぞれの地域を担当する調査班が組織されているが、3年目の2019年度は、インド・タミルナドゥ州で水利共同体の調査を開始した。
タミルナドゥの予備調査では、税徴収制度の違いがタンク灌漑施設の維持管理の在り方にも影響しているという示唆を得た。すなわち、既存の研究では経済発展に負の影響をもたらす可能性が高いと主張されてきたザミンダーリ制(代表徴税官が村から税を集める制度)で運営されていた村では、ライーヤートワーリー制(土地の所有者から直接税を集める制度)に比べ、タンク灌漑施設の維持管理という点に限って言えば、村の公共財として比較的継続的に維持管理されてきたという観察を得た。よって、その側面を詳細に検討できる質問票を作成し、調査を実施した。
すでにデータ収集が終わった班(フィリピン、スリランカ、ネパール)ではデータの分析と論文執筆をすすめている。調査は、フィリピンのボホールにおける灌漑調査が残されており、次年度実施に向け準備と計画立案を行った。
【研究代表者】