三世代のサマ・バジャウ移民家族を生活史の語り合いでつなぐー記憶の分有と想像力
【研究分野】オラリティと社会
【研究キーワード】
サマ・バジャウ / ミンダナオ / 生活史 / ダバオ市 / フィリピン / サマ・ディラウト / 記憶の分有 / ナラティヴ / ダバオ / 民族誌 / オーラルヒストリー / サマ(バジャウ) / 想像力
【研究成果の概要】
2020年につづき2021年もCovic-19のため、計画を実施することが不可能になった。
早い段階(4月)に当該年度における通常のフィールドワーク調査を断念し、研究期間延長を考え、実際に研究期間を1年間繰延べた。予定していたという意味での調査はできなかったが、本科研を通じて維持されてきた調査地とのつながりは生かされ、私費により生活支援・学習支援を続けている。その奨学生には、本科研の最終年度における本調査を念頭に、家族史作成のプロジェクトの準備をしてもらった。あわせて現地大学(Ateneo de Davao University)の複数の研究者と交流を重ね、現地の歴史や政治、少数民族の状況についての理解を深める努力をした。その報告として、3月には東京大学ヒューマニティーズセンターでオープンセミナーを日英バイリンガルで開催し、日本とフィリピンの研究者・一般の方がたの参加を得た。また、毎週1回1時間オンラインにて、ダバオ/ミンダナオ史の文献にとりくむ読書会を日本・アメリカを繋いで開催し、現在も継続している。
この間、調査地の歴史をより大きな歴史の文脈に位置付けるべく、アンソニー・リードのA History of Southeast Asiaの共訳に取り組み、名古屋大学出版会より上下巻の刊行に至った。ほかに、フィールドワークに関して雑誌『東洋文化』を責任編集し、東洋文化研究所より刊行した。
以上は、本研究の現地調査再開に向けての前向きな準備として位置づけられる。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-07-18 - 2023-03-31
【配分額】3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)