天然物立体異性体を用いる植物ホルモン活性制御
【研究キーワード】
植物ホルモン / ジャスモン酸 / 受容体 / 遺伝的冗長性 / コロナチン / 立体異性体 / 化学プローブ / 標的選択性 / 活性チューニング / 二次代謝
【研究成果の概要】
植物毒素の立体異性体ライブラリーを化学合成によって構築し、これらの植物ホルモン受容体サブタイプへの親和性の網羅的評価と、その生物活性をスペインCNB-CSICとの国際共同研究によって実施した。立体異性体ライブラリーの評価を、シロイヌナズナ、トマト、イネの3種の植物を用いて行い、核受容体サブタイプにユニークな選択的親和性を示す立体異性体をそれぞれ見出すことに成功した。
【研究の社会的意義】
通常では、植物の病原菌感染耐性は、植物の生長阻害とトレードオフの関係にあるが、本手法ではこれらを切り離して活性化できることが明らかになり、既存の遺伝学的手法と比較して、ケミカルバイオロジー手法の優れた点を示すことができた。本分子は植物ホルモンのシグナル伝達の内の一部のみを選択的に活性化する一方で、遺伝子発現の抑制は歩と度起こさないことが明らかになった。これによって、植物の生長防御には、細胞壁の生合成を抑制する遺伝子群の発現が関与することが明らかになった。
【研究代表者】