東欧の経済成長と環境問題-日本の経済的・技術的貢献
【研究分野】経済政策(含経済事情)
【研究キーワード】
外国直接投資 / 民営化企業 / 国営企業 / 河川汚染 / 地下水汚染 / BAT規制 / 国際共同研究 / ルーマニア、ハンガリー / 環境NGO / 自主労組連帯 / 国際河川 / EU環境アキ / 工場排水 / 国際研究者交流 / ポーランド:ハンガリー:チェコ:ルーマニア / EU環境政策 / ティサ河シアン汚染 / ドナウ河支流汚染 / 都市排水処理 / ソフィア・イニシアティブ / 対外直接投資立地 / ハンガリー環境保護者 / EU環境法制の東欧化 / 中東欧諸国 / アキ・コミュノテール / ガバナビリティ / 産業の国際競争力 / 猶予期間 / 環境技術国際協力
【研究成果の概要】
中東欧諸国における中央計画経済体制から市場経済体制への移行はほぼ順調に推移してきた。このスムーズな移行の進行に対しては、外国直接投資とそれに伴う経営ノウハウやマーケティング・ノウハウの移転が大きな貢献をしてきた。国営企業から民営企業への移行、民営化企業における経営及び労働の在り方は、先進市場経済諸国から進出した企業によるデモンストレーション効果によって大きく影響を受けてきた。環境問題への対応は、中東欧諸国におけるBAT(Best Available Technology)規制もさることながら、先進的技術を持つ外資系企業の存在によって地元企業による先進的技術の受け入れもよりスムーズになる側面があった。しかし、ルーマニアのトランスシルバニア地方・ベラ・マーレ地区における2000年1月末のドナウ河支流のティサ川上流域青酸化合物汚染問題は、外国企業と国営企業との合弁企業による悲惨な河川汚染の実例となってしまった。これは中東欧諸国政府による環境ガバナンスの問題を浮き彫りにした事例でもある。
中東欧諸国における環境問題への対応がかなり急ピッチで進行している背景には、これら諸国の間におけるEU加盟への期待感が強いこと、及びEU・EBRD・EIBを初めとする各種国際機関による環境対策支援事業がある。EU加盟に関しては、早いグループは2006年からの加盟も期待されている。EU側での受入態勢も2000年秋におけるニース条約の締結による特定多数決適用範囲の拡大により2004年から整うことになっている。EU諸国においてもそうであるが、中東欧諸国においても地下水汚染及び諸河川の汚染への対応の重要性が深く認識されている。この問題については、家庭用雑排水・工場廃水・農業排水・牧場排水・工業用化学薬品、等への対処がキーとなる。それはまた、EU諸国との強い連携を必要としている。環境汚染に国境はない。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
高樋 さち子 (高樋 巧子) | 秋田大学 | 教育文化学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
香川 敏幸 | 慶應義塾大学 | 総合政策学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1999 - 2001
【配分額】3,200千円 (直接経費: 3,200千円)