知的財産権と競争
【研究分野】経済政策
【研究キーワード】
知的財産 / 研究開発 / ブランド / 知的財 / 知的財産権 / 特許 / 競争・産業構造 / イノベーション / 競争政策 / 産業組織論 / 商標権 / 知的所有権 / シグナル / パテント / 独占禁止法
【研究成果の概要】
本研究では、理論的には、寡占企業の均衡における川上、川下企業の研究開発の効果を考察し、研究開発が産業構造に深く関係することを明らかにしている。
また、政府の研究開発促進政策の中では都道府県の研究開発助成が企業の生産性の向上に効果がある他に、他の政府の助成金との相乗効果、そして他県の経済活動との間にスピル、オーバー効果があることが検証された。
さらに、本研究では、ワインとラベルがランダムに組み合わされたものと、実際に販売されているワインとラベルの組み合わせをを被験者に試飲して、評価してもらう実験によって、ブランドのシグナル効果を実験的に検証した。
【研究の社会的意義】
近年、知的財産はパテントだけではなく、消費者情報、商標、ブランド等も含まれる概念である。よって、本研究でも知的財産に関して多様な分析を行い、その特徴を研究した。理論的結果から、知的財産が産業構造をより寡占的にさせる懸念が指摘され、また政府の研究促進政策が正の効果を持つことなど、政策的インプリケーションが得られた。また、ラベルと中身の組み合わせという新しいブランドの概念も提唱され、有名ブランドが中身の高評価につながらない興味深い結果が得られた。
【研究代表者】