イネの胚・胚乳特異的なDNAメチル化およびゲノムインプリンティングに関する研究
【研究分野】育種学
【研究キーワード】
イネ / DNAメチル化 / Laser Microdissection / ゲノムインプリンティング / レーザーマイクロダイセクション
【研究成果の概要】
植物が有性生殖を行う際、特定の遺伝子が父親由来か母親由来かにより、その発現が異なる現象が知られており、ゲノムインプリンティングとよばれている。しかし、現在のところ植物でインプリンティングされることが明らかになっている遺伝子数が少ないため、ゲノムインプリンティングの意義について十分に理解されていない。シロイヌナズナの胚乳発生過程では、インプリンティングを受けるいくつかの遺伝子が胚乳の発達に重要准機能を果たし、そのゲノムインプリンティングの制御にDNAメチル化が関与していることが示唆されている。そこで本研究では、モデル植物でかつ重要な作物であるイネを用いて、胚発生および胚乳発生過程でインプリンティングされる遺伝子を同定し、ゲノムインプリンティングの機構や意義について理解を深める。さらに、ゲノムインプリジティングを受ける遺伝子がイネの胚・胚乳の発達にどのように関与するかについても調査する。
平成18年度は、受精後10日目のイネの穎花を単離・固定し、パラフィン包埋切片を調製した。切片厚10〜20μmの切片をLeica社のLMD装置にセットし、胚と胚乳をそれぞれ単離した。それぞれDNAを抽出し、数十から数百マイクログラムの全DNAを回収できた。さらにBisulfite法によりメチル化されていないシトシン残基をウラシルに変換させることによって、メチル化DNA領域と非メチル化DNA領域を区別できた。平成18年度内にゲノムインプリンティングされる遺伝子の同定までは至らなかったが、本研究により、微細な組織よりLMDによりDNAを抽出し、メチル化DNA領域の同定・解析が可能であることを証明できたことは意義深いと考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
堤 伸浩 | 東京大学 | 大学院農学生命科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)