ニューロンの軸索におけるオルガネラ間接触によるATP動態制御機構の解明
【研究キーワード】
プレシナプス / ミトコンドリア / 小胞体 / カルシウム / 小胞体ーミトコンドリア接触 / ATP / シナプス小胞
【研究成果の概要】
神経活動時の高いエネルギー需要に応えるため、プレシナプスにおいてミトコンドリアによるATP産生は厳密に制御されると考えられるが、そのメカニズムは良く分かっていない。本研究では、ミトコンドリアと小胞体の物理的接触 (Mitochondria-Endoplasmic Reticulum Contact Site; MERCS) がミトコンドリアによるATP産生を制御する可能性を検証した。その結果、MERCSがミトコンドリアのカルシウム取り込みを制御し、プレシナプスにおけるシナプス小胞の放出制御に関わる可能性を見出した。
【研究の社会的意義】
近年、小胞体とミトコンドリアの接触とアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の発症との関連が報告されている。また、これら疾患はシナプス機能の低下に起因する可能性が指摘されているが何がシナプス機能の低下を引き起こすかは不明である。本研究から、小胞体ーミトコンドリアがシナプス機能制御に寄与する可能性が明らかになり、新規の薬剤ターゲットや治療法開発につながる可能性がある。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)