二酸化炭素分子を共有体とする共結晶製造への挑戦
【研究分野】化学工学およびその関連分野
【研究キーワード】
共結晶 / 医薬物質 / 高圧二酸化炭素 / 超臨界流体 / 医薬品物質 / 化学工学 / 結晶工学 / ナノ材料
【研究成果の概要】
抗菌剤として使用されるnorfloxacinに対して,高圧状態のCO2で処理することで,norfloxacinの大幅な結晶構造の変化が確認された.CO2処理における圧力を増大させることで,新たに形成された結晶構造のパターン比も増大することがわかる.さらに,赤外吸収スペクトルより,CO2分子がnorfloxacinの固相へ取り込まれていることも示唆された.以上より,高圧状態のCO2とnorfloxacinが接触した場合,高圧CO2が有する高い浸透性と,CO2分子とnorfoxacin分子のアミノ基との強い相互作用により,共結晶の形成が示唆されることがわかった.
【研究の社会的意義】
本研究で得られたように,アミノ基を有する医薬物質と高圧状態のCO2とを接触させるのみの操作により,CO2分子を共有体とする共結晶の形成が示唆され,さらには水に対する溶解度を向上させることも可能となった.本研究において構築された共結晶の形成技術は,従来の主流であった有機溶媒を使用した形成技術と比較して,有機溶媒の残余といった問題が回避できるため,新たな共結晶技術として今後の実用化が大いに期待される.
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2017-06-30 - 2019-03-31
【配分額】6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)