酸素不足型鉄酸化物を用いる二酸化炭素の一酸化炭素への転換システムの研究
【研究分野】エネルギー学一般・原子力学
【研究キーワード】
二酸化炭素 / 一酸化炭素 / メタン / 鉄酸化物 / 水素 / フェライト / マグネタイト / エネルギー / ウスタイト / 廃熱
【研究成果の概要】
吸熱反応システムによる二酸化炭素の分解は、二酸化炭素による地球温暖化防止対策として有効である。提案するシステムは、1)二酸化炭素のメタン転換工程(CO_2+4H_4=CH_4+2H_2O)、2)メタンの改質工程(CH_4+H_2O=2CO+4H_2)から構成され、システム全体で反応は、CO_2+H_2=CO+H_2となる。メタン転換反応は(1)フェライトの水素による活性化反応、(2)排ガス中の二酸化炭素の炭素への分解、(3)析出した炭素の水素化反応によるメタン転換、から構成される。酸素不足型鉄酸化物の生成反応および二酸化炭素の炭素への分解反応の反応速度論的解析を行った。この結果、酸素不足型フェライトによる300℃での炭素への分解反応はフェライト中にNi(II)イオンを固溶させることにより著しく向上する。炭素のメタン化反応は300℃で水素と接触させることにより転換率0.85の高い反応性を示した。この高い反応性はフェライト表面に原子状に析出した炭素によるものと推測される。メタン化反応の効率化を図るためマグネタイト及びNi(II)-フェライトにPtを担持し、CO_2/H_2混合ガス流通系でメタン化反応性に対する効果について検討した。Pt担持マグネタイトではCO_2→CO分解反応が促進されたが、メタン化反応はほとんど進行しなかった。一方、Pt担持Ni(II)-フェライトでは、COの生成が抑制され、メタン化反応の収率および選択制が向上することが見出された(収率25→80%、選択性82→99%)。以上のメタン化反応をLNG火力発電所へ応用するためベンチスケールの試験を行い、実用規模のメタン化システムを提案し装置規模について検討を行った。以上のプロセスで得られたメタンは、現在太陽エネルギー利用分野で研究が進められているメタンの改質システ(吸熱)に導入して一酸化炭素、水素を得ることが出来る。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
辻 正道 | 東京工業大学 | 炭素循環素材研究センター | 助教授 | (Kakenデータベース) |
玉浦 裕 | 東京工業大学 | 炭素循環素材研究センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1994 - 1995
【配分額】2,100千円 (直接経費: 2,100千円)