破断直後の金属間化合物上に形成される新生表面の触媒特性
【研究キーワード】
金属間化合物 / 合金 / 破断面 / 触媒特性 / ボールミル / 水素化 / アセチレン水素化 / 粉砕 / 金属粒子 / 触媒作用 / へき開面 / 露出面 / 劈開面 / 白金
【研究成果の概要】
本研究の目的は、金属間化合物を物理的に破断したときに現れる新生表面の触媒特性を明らかにすることである。新生表面はごく短寿命であるため、密閉容器中に金属間化合物と反応ガス(アセチレンと水素)を封じてボールミルを行い、反応ガス中での新生表面の形成を試みた。アセチレンの水素化を行った結果、Niを触媒にした場合に比べて、Ni-Fe固溶体合金およびNiGa金属間化合物を用いると、部分水素化によるエチレン生成の選択性が高くなることを見出した。
【研究の社会的意義】
金属間化合物は通常の合金とは異なり機械的な力が加わると割れやすい性質を持つ。割れた直後の断面(新生表面)はごく短寿命であり、その触媒作用を研究した例はない。本研究では反応ガス中で金属間化合物を粉砕することにより、新生表面の触媒作用を明らかにすることを目指した。アセチレンと水素の混合ガス中で金属間化合物を粉砕したところ、Niに比べて金属間化合物NiGaがエチレンを高選択的に与えることを明らかにした。本反応システムは、機械的エネルギーを触媒の形成および再生に利用するというユニークなシステムであり、他の反応にも広く適用可能と考えられる。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2020-07-30 - 2022-03-31
【配分額】6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)