分子性ナノワイヤの構築と機能開拓
【研究分野】機能・物性・材料
【研究キーワード】
分子性ナノワイヤ / マクロサイクリックTTF / 分子性導体 / AFM / 金微粒子 / 電気物性 / 分子配向 / IR / ESR
【研究成果の概要】
1.分子ナノワイヤを形成するマクロサイクリックTTF誘導体の検討
マクロサイクリックTTF誘導体に対し、適当なアクセプターと組み合わせることで、高導電性の分子性ナノワイヤを得ることを目的に検討を行った。マクロサイクリックTTFの誘導体化については、Thiomethyl型構造、BEDT-TTF型構造の分子に加えてBEDO-TTF型構造を持つ分子の合成に成功した。Thiomethyl型構造はナノワイヤ形成分子であり、項目2の研究に用いた。また、BEDT-TTF型構造を持つ分子については積極的に材料化を進めた。その結果、この分子が中性状態で低分子オルガノゲルを形成することや、ヨウ素錯体がナノドット構造を持つことなどを見出した。また、TTF分子が3個縮環した系についても合成を行った。これらの分子を用いてLB膜化を進め、C60などのアクセプターとのLB膜形成に成功した。
2.ワイヤリング技術の開発
種々のパラメータの検討を通じて、ワイヤ生成の仕組みを理解すると共に、その最適条件を求めることを目的に研究を行った。その結果、ワイヤ形成とゲル形成が密接な関係を持つことを見出し、それを基に新たなワイヤ構造を与える分子の分子設計を行った。金ナノ粒子などを導入した複合ナノワイヤ構造の構築を行い、電気物性を詳細に検討した。
3.分子ナノワイヤネットワークの構造評価
ナノワイヤネットワークの構造をプローブ顕微鏡で評価した。新たに得られた、C60とマクロサイクリックTTFからなる膜においては、表面圧による電荷移動相転移が起こることを見出した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
長谷川 達生 | 産業技術総合研究所 | 強相関電子技術研究センター | 主任研究員 | (Kakenデータベース) |
芥川 智行 | 北海道大学 | 電子科学研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2002 - 2004
【配分額】49,010千円 (直接経費: 37,700千円、間接経費: 11,310千円)