ファジィ集合理論に基づく画像検索の方法とシステムの開発
【研究分野】計測・制御工学
【研究キーワード】
画像検索 / ファジィ命題索引 / ファジィ検索 / マッチング関数 / アルゴリズム / 画像デ-タベ-ス / ファジィマッチング / 類似検索 / 命題索引
【研究成果の概要】
近年、マルチメディアデ-タベ-スやハイパ-テキストの研究の進展に従って、画像情報の検索の考察が益々必要となってきている。画像検索の方法としては、与えられた画像を問い合せに用いて、その画像に類似した画像を検索する類似画検索や、ネットワ-ク索引を用いる方法などが提案されている。一般に、このような画像情報の索引付けや検索には、認知科学や画像認識の成果が利用されなければならない。また一方、画像情報には様々な意味での不確定性やあいまいさが含まれるので、ファジイ理論をもとに画像を検索しようとするのは自然なアイデアであるが、ファジィ画像検索は未だ考察されていない。
本研究では、これらの状況を考慮し、ファジィ理論に基づく画像検索の方法を提案し、システムを試作した。本研究の内容を要約すると、次のようになる。
(1)人間の記憶における画像情報のモデルとして、命題ネットワ-クが提案されている。ここでは、このモデルを利用し、画像の索引として、ファジィ命題(述語表現にメンバ-シップを考慮したもの)の集合を用いることにした。
(2)ファジィ命題集合により索引付けられた画像デ-タベ-スに対し、問い合せとして、同じ形式のファジィ命題集合を仮定した。この仮定は、検索者が問い合せとして、キ-ワ-ド、自然言語による画像内容の表現、質問画像、のどの形式をとった場合にも対処できるシステムを可能としている。
(3)索引と問い合せの間の類似性、すなわちマッチングの度合いを量るためのファジィ集合モデルを提案し、マッチングの度合いを効率良く計算するアルゴリズムを与えた。また、この結果得られる数値をメンバ-シップとすることで、ファジィ検索が行なわれる。
(4)この方法による検索システムを試作した。
【研究代表者】