憲法学史の新たな地平--グロティウスからスピノザまでを貫く「啓示の媒介者の問い」
【研究分野】公法学
【研究キーワード】
グロティウス / ホッブズ / スピノザ / フベルス / オランダ / 主権 / 人権 / 精神的自由 / 検閲 / 聖書 / 思想・良心の自由 / 公法学史 / 国際情報交換 / オランダ:ドイツ / 思想の自由・良心の自由
【研究成果の概要】
本研究課題は、主権理論、また信教や思想の自由が歴史上どのように発展したのかを、その重要な舞台をなす17世紀のオランダにつき、特に、国家と教会の関係という当時の同国最大の政治問題に焦点を当てて分析することを試みたものである。聖書からの引用を多用しそこに複雑な解釈を施すという当時の議論スタイルと正面から取り組むことを通じ、「聖書世界において啓示を媒介するのは誰で、それはどのようにであったか、また今日において対応する役割を負うのは誰か」という一連の「啓示の媒介者の問い」が、グロティウスを中心とする1600~1620年のいわゆる「レモンストラント論争」時の理論家に、主権の限界及び教会の自律性を巡って見解が対立する際のまさに分岐点として意識されていたことが明らかとなった。これにより、その後のホッブズやスピノザの世代との議論枠組の連続性が改めて確認された。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2011 - 2012
【配分額】3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)