都市空間における「ゆらぎ」を内包した複層的オーセンティシティの解釈手法の開発
【研究キーワード】
オーセンティシティ / まちづくり / フレームワーク / 都市空間 / 開発 / 観光
【研究成果の概要】
本研究は定義の定まっていない概念である都市のオーセンティシティ(Authenticity)についてその解釈方法を開発するものである。本研究では都市のオーセンティシティには「客観的」「構造的」「経験的」の複層的段階があり、その中で解釈の「ゆらぎ」があると仮定する。その上で、今年度は下記のようなことを行った。
第一に、昨年度の理論構造の整理を分析のための基盤として用いながら、経験的オーセンティシティの認知調査としてのヒアリング調査を行った。ヒアリング調査を行った対象は、行政関係者、不動産オーナー、ホテル関係者、建築プロジェクト関係者など、まちづくりに関与する主体である。個人的なオーセンティシティの聞き取りを行うことで、経験的オーセンティシティの「ズレ」を明らかにすることを目的とした。その中では、集団としてのオーセンティシティの理解(構造的)と、他者の個人的解釈に対する批評的視点の対比が明らかになった。このことは建築学会での梗概として論をまとめた。
第二に、複数の都市の現地調査と産業構造等のデータ比較を行い、特にヒアリング調査を行った金沢市の位置づけを行うことで、都市におけるオーセンティシティの相対的な意味についての理論基盤を形成した。
第三に、「金沢らしさ」を考えるためのワークショップを通したオーセンティシティの経験的な読み取りと相互作用の余地について学会発表として梗概をまとめて発表した。
第四に、構造的オーセンティシティとしての行政による位置づけについて、景観計画という視点から学会発表として梗概をまとめた。この中では構造的オーセンティシティとしての景観計画の時系列によるゆらぎについて地域特性の変容の反映のありかたから論じた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
坂村 圭 | 東京工業大学 | 環境・社会理工学院 | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
菅野 圭祐 | 筑波大学 | 芸術系 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)