処女乾燥下におけるセメント系材料の水分移動メカニズムの解明
【研究キーワード】
珪酸カルシウム水和物 / 乾燥 / 動的な空隙構造 / 水分移動 / 空隙構造変化 / コロイド的性質 / 動的空隙構造変化 / セメント / セメント系材料 / C-S-H / 時間依存性 / 1H-NMR Relaxometry / コンクリート / コロイド
【研究成果の概要】
2021年度については、水分移動ならびに乾燥時のセメントペーストの空隙構造の変化、ならびにその変化速度に関する研究を実施するとともに成果をまとめ、対外的に発表を行った。1) 低熱ポルトランドセメントの乾燥時の空隙構造変化を水蒸気吸着等温線と窒素吸着等温線により評価し、水酸化カルシウムが少ない分、空隙が大きくなるとともに収縮が大きくなる傾向にあることを示した。2) 窒素吸着におる等温線を分子動力学計算によって評価した表面ポテンシャルとスリット型構造を仮定した空隙構造により、3つないし4つの卓越した空隙構造が乾燥・吸湿において異なる変化速度で変化していることを示した。3)長期的な空隙構造変化と水分移動を組み合わせた、時間依存性吸着等温線モデルを世界で初めて提案し、国際ジャーナルにおいて掲載された。4)カルシウムシリケート水和物の乾燥時の挙動評価を念頭に、分子動力学計算の知見を集約し、現在までに明らかになったこと、また、今後の課題についてレビュー論文としてとりまとまた。5)乾燥時のC-S-Hの動的な変化は主として、80%RH前後から40%RH前後に卓越して変化し、特に長さ変化として大きな影響をうけることを明らかにした。6)異なる5つの湿度で調湿したエーライトペーストの空隙構造変化を1H-NMR Relaxometryによって評価し、C-S-H層間ならびに外部表面での吸着水の緩和時間が異なること、C-S-HのOH基の一部はMobile成分の水と熱交換しない状態にあることなどが明らかになった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
大竹 淑恵 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 光量子工学研究センター | チームリーダー | (Kakenデータベース) |
大窪 貴洋 | 千葉大学 | 大学院工学研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】36,400千円 (直接経費: 28,000千円、間接経費: 8,400千円)