高いX線視認性を有する肝臓がん治療用の新規薬剤徐放性マイクロビーズの創製
【研究キーワード】
マイクロビーズ / 生分解性 / X線視認性 / 肝動脈化学塞栓療法 / 生分解性ポリマー / TACE / DEB
【研究成果の概要】
本研究では、肝動脈化学塞栓療法(TACE)に用いるX線視認性/生分解性マイクロビーズを開発した。マイクロビーズの平均粒径は、約190μmであり、目標としていた100から700μmの範囲内に収まっていた。マイクロビーズのX線照射下での視認性(X線視認性)を評価するため、CT値を測定したところ約6700HUであり、既存のマイクロビーズの15HUに比較して、優れたX線視認性を有していることが確認できた。また、本マイクロビーズは、生体内を模擬したリン酸緩衝液中において40日間で18.2%の質量減少を示し、生分解性が確認された。
【研究の社会的意義】
TACEは、切除不能な肝臓癌に対して適応されるカテーテル治療法であり、腫瘍に栄養を供給している血管にカテーテルと呼ばれる数mmの細い管を挿入し、塞栓物質を注入して抗腫瘍効果を狙う。TACEはX線透視下で実施されるが、従来の塞栓物質はX線視認性がないために塞栓物質の注入コントロールが困難で、意図しない正常血管を塞栓して合併症を生じる場合がある。また、塞栓物質は体内で永久残存するために合併症が重篤化しやすい。本研究で開発したマイクロビーズはX線視認性と生分解性を兼ね備えた塞栓物質であり、より低侵襲なTACE治療を実現できる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
堀田 篤 | 慶應義塾大学 | 理工学部(矢上) | 教授 | (Kakenデータベース) |
松本 知博 | 東海大学 | 医学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2022-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)