メカニカルアロイングにおける反応活性化機構の研究
【研究分野】材料加工・処理
【研究キーワード】
メカニカルアロイング / メカノケミストリー / 金属間化合物 / 固相反応 / 反応ミリング / 複合材料 / ナノ結晶 / 超塑性 / 固相化学反応
【研究成果の概要】
1.反応系の系統化:金属(Zr,Ti,Ni,Nb,Al)-ヘプタン系及びTi-セラミックス(Si_3N_4、SiC)系について、メカニカルアロイングにおける反応性をミリングによる蓄積エネルギーと関連づけた。DSC測定から求めた蓄積エネルギーと化学分析から求めた反応量とに明確な関連が確かめられた。反応の開始はミリングによるエネルギー蓄積の大きいZr,Tiの順で早期に開始されること、また反応開始に潜伏期が存在することが示された。
2.反応過程:X線回折及びDSC測定により、Ti及びZrとヘプタンとのミリングにおける反応生成物の解析を行なった。反応の初期では、反応生成物は温度上昇において可逆的に分解し、安定な炭化物を形成する前に準安定な面心立法構造をとることが判明した。この準安定中間相はhcp金属の積層欠陥がC及びHにより安定化された状態と考えられる。また、Hの存在状態も調べ、Zrとbcc金属であるNbとの違いも明らかにした。さらTi-Si_3N_4、SiCについてミリング及び焼結時の反応生成物とミリング条件との関係を求めた。
3.生成粉の焼結性と焼結体組織:ヘプタンとの反応によって二次凝集した粉末粒子径は、反応前に比べて約一桁細粒化され、その結果として焼結性は従来の金属間化合物あるいはセラミックスに比べて著しく改善されることを明らかにした。透過電子顕微鏡観察の結果、Ti-Al-ヘプタン系から得られる複合体の組織は約200nmのほぼ等軸な微細結晶粒であり、TiAlとTi_4AL_2C_2は均一に分散している。一方、Ti-Si_3N_4F系ではTiNとTi硅化物が約100nmのほぼ等軸な微細結晶粒として分散している。
4.焼結試料の機械的性質:焼結試料について高音引張り試験を行ない、TiAl-Ti_4Al_2C_2系では1000℃で400%,TiN-Ti_5Si_3では1500℃で約100%の伸びを試みた。歪み速度を変えた実験から、超塑性現象が現れていることを確認した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
鈴木 達 | 早稲田大学 | 理工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
弘津 禎彦 | 大阪大学 | 産業科学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
SUZUKI T.S | Waseda Univ., Dept.Mater.Sci.& Eng.Res.Assoc. |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1993 - 1994
【配分額】6,300千円 (直接経費: 6,300千円)