溶融ナトリウムの燃焼機構の解明
【研究分野】熱工学
【研究キーワード】
ナトリウム / プール燃焼 / 対向流拡散火炎 / エアロゾル / 放射伝熱
【研究成果の概要】
溶融ナトリウムの燃焼はその生成物が固相であることに由来して、(1)反応帯に吸込みが存在し、燃焼場の流動形態が変化する、(2)反応帯からの固相生成物の拡散、除去の過程が複雑である、(3)固相生成物による放射伝熱が重要な影響を持つ、という基本的な点で従来の基礎燃焼学で広く扱われてきた火炎現象と異なっている。本研究では基礎燃焼学の観点から、浮遊する固相生成物による放射伝熱の影響を明らかにすることにより、溶融ナトリウムの燃焼機構を解明することを目的としている。先ず、固相生成物微粒子の挙動の詳細な検討とそれを吸収射出性媒体とした輸送方程式に基づく放射伝熱モデルを用いた数値解析による、ナトリウム燃焼における表面燃焼率やプールと火炎の距離に及ぼす溶融ナトリウム温度や雰囲気温度、雰囲気酸素濃度の影響ならびに放射伝熱の効果を明らかにした。ついで、数値解析により得られた知見を基に溶融ナトリウム表面に形成される火炎を観察するための実験装置を設計・製作した。本装置は、基本的には溶融ナトリウムプール表面の対向流拡散火炎を観察するものであるが、その特長はプールの外側を対向する一対のハネカムで取り囲み、ハネカム表面にメタンの予混合火炎を形成することによりハネカムに挟まれた空間を制御された放射場とすることができることである。これによりナトリウムプール表面の対向流拡散火炎を観察することができた。結果はおおむね解析と一致したが,さらに対向流の淀み点付近の火炎であることを考慮してエアロゾルの詳細な検討に加えて二次元軸対称場の淀み点付近の解析を行い,実験結果と比較することにより現象を明らかにした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
加藤 之貴 | 東京工業大学 | 原子炉工学研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2003
【配分額】14,400千円 (直接経費: 14,400千円)