薄膜金属ガラス微細梁の三次元微細成形とマイクロプローブへの応用
【研究分野】機械工作・生産工学
【研究キーワード】
MEMS / 微細加工 / 薄膜 / アモルファス / 金属ガラス / プローブ / 抵抗率 / 物性
【研究成果の概要】
1.研究目的
薄膜金属ガラス三次元微細はりを高精度に再現性良く微細成形する技術を確立するために以下の研究を行う.
(1)各種薄膜金属ガラスの成膜条件と,その物性の検討.
(2)薄膜金属ガラスの過冷却液体域利用した三次元微細成形方法,およびその成形精度,再現性の検討.
(3)さらに,応用として薄膜金属ガラス微細梁をプローブとした半導体検査機器への展開.
2.研究成果
(1)薄膜金属ガラスの各種物性値を測定し,Zr基およびPd基薄膜金属ガラスは,高い弾性限界と引張強度を有し,ばね材として優れていることを明らかとした.次に,抵抗率の低い薄膜金属ガラスとしてPd_<76>Cu_6Si_<18>(原子%)の薄膜金属ガラスの成膜に成功し,抵抗率62μΩ・cmを実現した.さらに低抵抗化を目指して,633K,2,100sの加熱処理により脆化すること無く46.5μΩ・cmの抵抗率低下に成功した.
(2)薄膜金属ガラスに対して,MEMSプロセスの適用を検討し,リフトオフ法を適用することで,微細片持はりの製作に成功した.さらに過冷却液体域での軟化を利用して,微細片持はりを高精度に変形させる方法について検討し,曲がりはりを製作する方法や,90°曲はりや90°ねじりはりの製作に成功した.
(3)以上の検討を元にプローブピンの試作を行った.製作したプローブピンは,プローブ部長さ400μm,立上り高さ200μm,幅は50μm等数種を製作した.いずれもオーバドライブ量100μmにおいて,Alパッドとの接触抵抗は1Ω以下,1ピン当たりの接触荷重は1mNを達成した.さらに30万回のタッチダウンテストにより,十分な耐久性を有することを明らかとした.
3.今後の課題
以下の課題を明らかとした.(1)新しい薄膜金属ガラスの創製(2)薄膜金属ガラスの引張強さに対する寸法効果,疲労強度およびクリープの測定(3)三次元微細プローブのプローブカードへの応用
【研究代表者】
【研究分担者】 |
和田 晃一 | 株式会社アドバンテスト研究所 | MIC研究室 | 研究員 |
秦 誠一 | 東京工業大学 | 精密工学研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
佐藤 海二 | 東京工業大学 | 総合理工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】44,900千円 (直接経費: 37,400千円、間接経費: 7,500千円)