DLC膜の耐熱性向上の為の加熱による局所・微細構造変化の解明
【研究分野】機械材料・材料力学
【研究キーワード】
ダイヤモンド状炭素膜 / 炭素 / PEEM / NEXAFS / sp2結合 / sp3結合 / DLC膜 / アモルファス炭素膜 / sp2/sp3結合炭素比 / 耐熱性
【研究成果の概要】
ダイヤモンド状炭素(DLC)膜のsp2/sp3結合炭素比と耐熱性の関係を明らかとし,局所的な熱分解過程をタイの放射光施設(SLRI)との国際共同研究により明らかとする事を目的とし2020年度に引続き研究を実施した.2019年度からの世界的なコロナ感染拡大により,タイ―日本の渡航制限により,予定していたDLC膜の局所加熱によるsp2/sp3結合炭素の変化を評価するため,Nd:YAGレーザー(1064 nm)を照射したDLC膜の照射痕内のsp2/sp3結合炭素の分布およびレーザー強度依存性についてのSLRIでのX線吸収微細構造(NEXAFS)に併設した光電子顕微鏡(PEEM)を用いた炭素のk端付近(284 eV)のX線を照射時の光電子の2次元分布像を観察による最後の1種類の試料の構造評価は今年度も実施できなかった. この為,2021年度はこれ迄に得られているデータをRAと共にデータを精査し,国際会議への投稿および論文誌への掲載準備を行った.2020年度に引き続き,得られた結果を公表していくことに重点を於き,プロジェクトを進めた.2022年に1月頃より日本政府としての海外への渡航およびタイ側の入国待機時間の廃止等から,2022年度の実験準備を開始し,試料の作製等を行った.この状況に基づき,本プロジェクトは2年目の延長を申請し,2019年末に予定していた1種類のsp2/sp3結合炭素の局所変化と熱量の関係および局所加熱時の熱による影響の把握を2022年11月ごろに実施する予定である.この結果得られるデータからDLC膜の炭素の結合状態の変化領域等を明らかにできる見込みを得ており,これらを進め,DLC膜の摺動等の他の熱関係現象についても炭素の結合状態変化を捉える予定でSLRIと協働予定である.
【研究代表者】
【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
【研究期間】2018 - 2022
【配分額】11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)