東アフリカ産シクリッドの適応進化と平行進化の分子メカニズム解明
【研究キーワード】
シクリッド / 平行進化 / 祖先多型 / フェロモン / 適応進化 / 全ゲノム比較 / V1R / 適応放散 / 祖先集団多型 / フェロモン受容体 / 全ゲノム比較解析
【研究成果の概要】
本研究計画では「全ゲノム比較解析」に基づく適応遺伝子の網羅探索に加えて、より具体的に「唇の肥大化」に関わる平行進化メカニズム、「V1Rフェロモン受容体」による種分化、をテーマに掲げ、これらが祖先多型によって説明しうるかを検証することを目的としている。国際共同研究相手としてスイスのSeehausen博士、タンザニアのKimireiおよび Mzighani博士、そして米国のKocher博士を選定している。初年度から海外渡航が厳しい状況となったため、国際共同研究相手の諸氏とは、Zoom、メールを用いて研究内容に関する詳細な打ち合わせを進めている。Seehausen博士と推進するV1Rに関しては、全ゲノムが報告された東アフリカ産シクリッドおよび南米産シクリッドを対象に、その塩基配列を網羅的に単離することに成功し、現在は大量の配列データのアラインメントと系統樹構築をおこなっている。Kocher博士とは、ビクトリア湖産シクリッドの性決定領域決定に関わる共同研究のため、我々が採取したシクリッド野生個体のサンプルを個体情報とともに送付した。Kocher研究室にて解析は進められており、順次論文としてまとめる予定である。タンザニア水産研究所のKimirei博士とは、今年度中の野外調査の実施を目指して、時期や方法に関わる詳細を打ち合わせているところである。唇肥大化メカニズムに関わる遺伝子の探索や、前年度において論文を発表した祖先多型(SGV)に関わる研究も、データ量や解析種を増やしさらにその起源について深く議論するためのデータを集めている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
長澤 竜樹 | 東京工業大学 | 生命理工学院 | 助教 | (Kakenデータベース) |
高橋 鉄美 | 兵庫県立大学 | 自然・環境科学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
【研究期間】2020-10-27 - 2024-03-31
【配分額】16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)