「形質アプローチ」でせまる森林の植物―土壌フィードバック
【研究分野】生態・環境
【研究キーワード】
機能形質 / 群集形成機構 / 地上部―地下部相互作用 / 地上部ー地下部相互作用 / 生態学 / 森林 / 群集
【研究成果の概要】
本研究では、森林樹木群集の形成や多種共存機構における植物-土壌フィードバックの役割を、形質アプローチにより検証することを目的とした。全樹木群集構成種の動態データや成木、稚樹の機能形質データなどが蓄積されている小川群落保護林(茨城)の1.2ha調査区で、新たに当年生実生や1年生以上の実生の形質データを整備した。さらに、調査区内の10m×10m格子点で土壌の生物・非生物特性を測定し、土壌特性の空間的なデータを整備した。これらによって、生育段階毎の植物形質と動態データとの関係解析や、土壌特性の決定要因解析が可能となり、土壌特性は地上部や落葉プールの形質に左右されることが明らかとなった。
【研究の社会的意義】
本研究の成果は、森林生態系でこれまでほとんど実証されてこなかった、樹木群集の多種共存機構における植物―土壌フィードバックの重要性の理解につながるものである。森林樹木群集の形成や多種共存機構の包括的理解は、将来の気候変動や土地利用変化に対し、森林の生態系サービス変化を予測するための不可欠な知見を与えるだろう。
【研究代表者】