原子間力顕微鏡を用いた高分子一本鎖の広周波数帯域粘弾性計測
【研究キーワード】
単一分子鎖 / 原子間力顕微鏡 / 高分子鎖粘弾性 / 温度依存性 / 一本鎖粘弾性 / 広周波数帯域
【研究成果の概要】
高分子系の最も基礎的な段階である単一合成高分子鎖に関しては、これまで物理的な理論とモデルの研究が多い、一本鎖を取り扱う実験系の研究が少ないという現状である。特に、一本鎖のダイナミクスの測定手段が少ないという問題点があるため、本研究では原子間力顕微鏡を用いた単一高分子鎖の広帯域周波数粘弾性の研究を行った。2021年度には、温度可変装置をAFM装置に導入し、系統的に高分子鎖弾性の温度依存性を検証した。また、熱ノイズ解析という手法を用い、一本鎖の粘弾性を実測し、その結果が「動的ナノフィッシング」による粘弾性がほぼ一致することがわかった。なお今までの一本鎖粘弾性の研究をまとめ、日本レオロジー学会誌に記念招待総説として発表している(2022 年 50 巻 1 号 p. 107-111)。更に、カンチレバーの形状加工を活用し、各形状とカンチレバーの固有粘弾性の関係性が明にした。以上の成果が高分子一本鎖粘弾性の精密計測が活用され、次世代のサイエンスの重要課題として踏み込ませることが期待できる。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)