半導体の表面電子準位バンドの電気伝導特性
【研究分野】表面界面物性
【研究キーワード】
表面電気伝導 / 表面電子バンド / 表面超構造 / 半導体 / 2次元電子系 / 反射高速電子回折 / エピタキシー / 磁気抵抗
【研究成果の概要】
昨年度制作した極低温用電気伝導測定兼用RHEED試料ホルダーを、超伝導マグネットが装備された超高真空RHEED装置内に取り付け、様々な測定を行い、以下のような成果を得た。
(1) Si(111)の表面電気伝導度の温度依存性の測定:Si(111)-7×7清浄表面とSi(111)-√<3>×√<3>-Ag、√<21>×√<21>-Ag表面の温度依存性を40K〜300Kの範囲で測定することに成功した。その結果、100K〜300Kの範囲では、√<21>×√<21>>√<3>×√<3>>7×7の順に伝導度が高いこと、また、√<21>×√<21>と√<3>×√<3>表面の伝導度は、温度下降とともに上昇するよという金属的な性質を示すこと、100K以下では、7×7表面が最も高い伝導度を示すことが分かった。これらの現象のメカニズムについて検討した。
(2) 磁気抵抗効果の測定:Si(111)-7×7清浄表面とその上に蒸着したBi薄膜の磁気抵抗を6Tまでの磁場を印加しながら測定し、数%の電気抵抗の変化を検出することに成功した。そのメカニズムについて検討した。
(3) Si(111)-表面上に0.33原子層程度の錫原子を吸着させて√<3>×√<3>表面超構造を作り、それを100K程度に冷却すると、3×3超構造に相転移することを見い出した。これは、錫吸着Ge(111)表面での相転移と同じであり、電荷密度波転移であると推論した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
長尾 忠昭 | 東京大学 | 大学院・理学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1998 - 1999
【配分額】4,000千円 (直接経費: 4,000千円)