マルチフェロイック新規物性機能の開拓に向けた物質展開
【研究分野】物性Ⅱ
【研究キーワード】
フェロイック秩序 / 電気磁気効果 / 磁気四極子 / フェロアキシャル / フェロカイラル / 共鳴X線回折 / 液晶 / ドメイン / マルチフェロイクス / 電気磁気光学効果 / 磁気四極子秩序 / フェロアキシャル秩序 / フェロカイラル秩序 / フェロイックドメイン / マルチフェロイック物質 / 複合ドメイン制御
【研究成果の概要】
従来のマルチフェロイクスの範疇を超えた新しいタイプのマルチフェロイック結合の創成および新規マルチフェロイック物質開発を目指した本研究で得られた主な成果は以下のとおりである。①強的磁気四極子秩序系物質を開発し,その電気磁気効果および電気磁気光学効果を実現することに成功した。②コニカルらせん磁性体における強誘電・強磁性ドメイン構造の結合現象を共鳴X線回折により明らかにした。③フェロアキシャル秩序におけるドメイン構造の可視化に成功した。④構造および光学特性の観点からフェロカイラル秩序の相転移現象を検証した。⑤液晶材料における室温電気磁気効果を実現した。
【研究の社会的意義】
本研究の成果は,従来のマルチフェロイクスの枠を超えた新たなフェロイック物性実現の足掛かりとなるものと位置づけられる。フェロアキシャル・フェロキラル物性に関して,従来のフェロイック物性と同レベルのドメイン制御性が実証・確立することになれば,結晶学・物性物理学の教科書の一章を新たに追加するような新たな研究分野が立ち上がるような意義があると考えられる。また,本研究で明らかとなったフェロアキシャル物質における電気旋光効果などの特異な光学特性は,強磁性や強誘電性など従来のフェロイック物性と同様に新規なメモリや光学素子などといった応用への展開につながるものと考えられる。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【配分額】44,980千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 10,380千円)