宇宙重力波干渉計の地上試験モデルの完成
【研究分野】素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
【研究キーワード】
重力波 / 宇宙レーザー干渉計 / 宇宙重力波干渉計 / DECIGO / レーザー / 無重力実験 / 宇宙干渉計 / ダークネネルギー / インフレーション / 合体時間予測
【研究成果の概要】
研究開始1年目にLIGOが連星ブラックホール合体時の重力波を初検出した。本基盤A は地球の周回軌道上にDECIGOの10分の1のサイズの干渉計B-DECIGOを打ち上げるとほぼ宇宙の果てまでの連星ブラックホールの合体を観測可能であり、その起源を決定できることを明らかにした。これに基づいて、B-DECIGO→DECIGO(=太陽周回軌道で1000kmのサイズ)というロードマップをDECIGOグループとして決定した。さらに、DECIGOに必須な1)レーザー干渉計地上試験モデル、2)周波数安定化高出力光源、3)ドラッグフリーと精密フォーメーションフライト制御技術、4)軌道設計等に大きな進展があった。
【研究の社会的意義】
人類が宇宙で起きている現象を認識する手段としてはガリレオによる光学望遠鏡に始まり、電波、赤外線、X線、ガンマ線という電磁波が唯一に近かった。電磁波は光速で進む波で最も遠くの情報を得られる。一方、重力波も同じく光速で進む波であり、電磁波と違い、途中の障害物にほとんど遮られないという特徴がある。重力波は2015年に初めて直接観測されたが、それは数十Hzの振動数帯であった。DECIGOというのは0.1Hz 帯の重力波を検出する装置で、それが完成すれば、さらに驚くべき宇宙の姿が明らかになると思われる。本研究はそのようなDECIGOを建設するための基礎研究でその学術的・社会的な意義は大きいと言える。
【研究代表者】