近世都市飛騨高山の人口と家族 ~宗門改帳を史料としたデータベース構築にむけて~
【研究キーワード】
歴史人口学 / 家族史 / 近世都市 / 高山 / 基礎シート(BDS) / 宗門改帳 / 家族 / 人口 / データベース
【研究成果の概要】
本研究の最終目的は、近世都市飛騨高山の歴史人口学と家族社会学の学際的研究を行うことである。歴史人口学は、主に宗門改帳を史料に用いて国勢調査以前の人口を解明する。研究は精力的に進められているが、史料の残存状態からそのほとんどが農村の研究である。
近世都市は研究開始以来注視されつつも、研究は乏しい。本研究が史料とする近世都市高山の宗門改帳は、残存期間が99年間(1773年~1871年)に及ぶ、しかも欠年が一年もない、現在発見されている史料の中では最も情報量の多い最良の史料である。この史料は、1960年代にマイクロフィルム化(全71巻:68914コマ)され、現在麗澤大学人口・家族史研究プロジェクト室に所蔵されている。高山のマイクロフィルムは劣化の恐れがあるため、これを電子化し、紙焼き製本をおこなった。このような準備期間を経て2020年より本格的に基礎シート作成を開始した。この作業を継続し基礎シートを完成させ、データベース化を開始することが本研究期間の目的であり、研究の最終目的はデータベース化された資料をもちいて近世都市飛騨高山の人口と家族の研究を完成させることである。
研究1年目にあたる2021年度は近世都市高山の宗門改帳を改めて観察し、基礎シートには書き込めない情報の扱いを検討し、情報シートを作成した。また、高山との比較を目的として作業を進めている諏訪山間部3か村(北内田村・南熊井村・横内村)のデータベース化を進めた。具体的には、データベースが完成している南熊井村のデータクリーニングと世帯情報の入力作業をおこなうとともに、横内村の基礎シートからデータベースを作成している(現在入力途中の段階である)。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)