カタルーニャの人間の塔に関する人類学的な文化遺産研究
【研究キーワード】
人間の塔(Castells) / 祝祭 / 身体性 / カタルーニャ / アソシエーション / 正統的周辺参加(LPP) / 十全的参加者 / 潜在的成員 / スポーツ / 人間の塔(Castells) / 文化遺産 / 身体 / アッサンブラージュ / 地域主義 / Castells / 民俗文化
【研究成果の概要】
2020年度に引き続き、今年度もCOVID-19感染拡大の影響でほとんどの実演が行われず、それに伴い練習も行われない状況であった。そのため本研究の中心となるフィールドワークは実施できず、文献調査を中心に研究を進めた。その間のチームの動きは、SNSを通じて送られてくる情報で確認していた。それによると、食事会などは徐々に再開し始めている動向がつかめた。実演も年度末、つまり、2022年3月から再開されたようだが、その連絡自体、同月に入ってきたので、フィールドに赴く準備が間に合わなかった。成果発表に関しては、昨年度に投稿した論文が発刊され(*)、そこでは正統的周辺参加(LPP)論を用いながら、従来あまり着目されてこなかった「十全的参加者」に焦点を据え、一見チームにとって利益をもたらさないように思える「潜在的成員」の性質と重要性を議論したものである。また、コロナ禍における人間の塔の活動に関する変化や継続性に関する口頭発表を行った。それは、日本国内の他の祭りの状況との比較となるべく、コロナ禍における人間の塔チーム「サンツ」の活動と復帰に向けた努力を報告する内容だった。
このように人間の塔に関する考察を進めることは困難であったが、コロナ禍の祝祭に関するシンポジウムを主催し、コーディネーターとして祝祭研究に関する議論を深めた(**)。それは本研究の今後の計画にも活用していく所存である。
*竹中宏子 2020「人間の塔チーム「サンツ」における十全的参加者のあり方と位置づけ:潜在的成員に着目して」『生活学論叢』38号、pp.44-55
**「ポストコロナの祝祭を考える:伝統、ヴァーチャル、『生感』」:11月6日@早稲田大学所沢キャンパス+Webiner
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)