生涯に渡り変化するアクティブ・ラーニングの脳認知科学アプローチによる学習理論研究
【研究キーワード】
アクティブ・ラーニング / 構成的学習 / 行為の学習と記憶 / 脳認知科学 / 脳科学と教育の架橋研究 / 教育改革 / 生涯学習・発達 / Enactigive Brain Model / 学習理論 / 生涯学習 / 行為の学びと記憶 / アクティブラーニング / 生涯発達 / 構成学習
【研究成果の概要】
人間の学びと成長、そして幸福を生物学的基盤から探究する「脳科学と教育の架橋研究フレームワーク」を創設するために、3つの脳原理(内的固有活動脳システム、皮質コラムの予測器、脳の恒常性)に基づきEnactive Brain理論を構築・提案した。その具体化モデルとして、「認知情報の脳システム」、「自己情報の脳システム」、「顕著性、恒常性の脳システム」の3つの内的固有活動脳システムと、視覚・聴覚の腹側と背側脳神経ストリームとで構成するEnactive Brain{拡張}モデルを提案し、アクティブラーニング(AL)の諸特性を脳科学エビデンスに基づきより具体的・詳細に説明・理解できることを示した。「自己情報の脳システム」の自己Selfには、感覚-運動統合の知覚ベースの自己Selfと、概念を基盤として能動的推論・予測器により構成される社会・文化的自己Selfがあることを明らかにし、教育においてはその発達段階に合わせて、2つの自己システムの状況に適合させた支援・介入や啓蒙・介入が必要であるという重要な示唆を得た。さらに、恒常性機能とWell Being、「学びと成長」との密接な関係を明らかにするなど、行動遺伝学的、脳科学的な新しい視点からAL教育のあり方を検討した。
教育学におけるALの構成主義学習理論を脳認知科学のEnactive Brainモデルの視点から再構築し、Well-beingとInvolvementを鍵概念とする「人間能力の社会的拡張モデル」の仮説的枠組を精緻化した。また、その枠組をもとに、人間能力の社会的拡張を促す諸要因の関係性を明らかにするための調査研究(Webベースの質問紙調査)を企画・実施した。
ALの構成的学習と深く関連し、また、ALで重視する創造性やインサイトに関する脳科学研究を中国心理学研究所のLuo博士との国際共同研究として実施した。
【研究代表者】