協力ゲームHanabiを用いた協力行動生成プロセスの解明
【研究キーワード】
Hanabi / ゲーム / ACT-R / 社会的知能 / コミュニケーション
【研究成果の概要】
本研究では、他者との協力が相互意図推定から共有シグナルとなるまでのプロセスを解明する。ヴィゴツキアン知性仮説によれば、環境中の協力的な他者を想定できることが人間の知能の一つの特徴であったと考えられる。他者との協力は、他者の意図を双方が推定し、最終的にお互いのモデルを構築した上で、共有したシグナルを交換し合うことで達成される。こうした協力のプロセスの解明として、人工知能技術を使った手法が盛んに行われているが、こうした手法ではエージェントの内部モデルを精密に制御できないため、評価が難しい。本研究では協力行動達成までのプロセス解明の課題として、協力ゲームHanabiを使用する。Hanabiゲームを繰り返すプレイヤーは、お互いの行動をシグナルとして共有し、プレイヤー同士は相互に得点を得やすくなる。こうしたHanabiゲームの性質は、協力行動を調べる上で優れた課題とされている。協力行動の基礎的な要因の評価、対人実験による共有シグナルの発生過程分析、ACT-Rを用いた人工エージェントとの対戦比較を通じて、相互意図推定から協力シグナルに至る過程を分析する。
本年度はHanabiゲームにおけるリスク傾向や内発的動機、思考時間の影響を調べる研究の分析結果をまとめ、これをfrontiers in Robotics and AIの論文としてまとめた。さらに本年度は、実施者間でどのようなモデル化が適切かを検討し、その結果をもとにACT-Rを用いたHanabiエージェントの実装を行った。なお、Hanabiプレイヤーのオフラインの観察実験は新型コロナウイルス影響下であることを考慮し、次年度以降に実施することとした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
森田 純哉 | 静岡大学 | 情報学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)