操縦者の運動意図に忠実な人型ロボット全身安定操縦
【研究キーワード】
ロボティクス / ヒューマノイド / 操縦 / 安定性 / 身体所有感
【研究成果の概要】
初年度に,操縦者の身体各部運動量に基づいた人型ロボット運動生成手法を開発し,動力学シミュレータを用いて有効性を確認した.操縦者の運動計測には全身型のモーションキャプチャシステムを用い,事前に計測した操縦者の身長や体重から身体各部の長さ・重量・慣性モーメントを概算し,各部運動量を算出する.この各部運動量に,操縦者と操縦対象ロボットの重心高さ比率および全重量比率を係数として乗算し,人型ロボットの目標各部運動量を算出する.目標各部運動量を実現するための各関節の目標角速度を,ロボット各部の長さや重量などの設計仕様として分かる情報を用いて算出することにより,ロボットの身体パラメータが操縦者と異なっていても目標各部運動量を達成することが可能となった.提案手法を用いて,人型ロボットの安定性が向上可能かを人型ロボットの運動シミュレーションにて評価した.人型ロボットのシミュレータは申請者のこれまでの研究にて開発しており,実験条件として,提案する運動生成手法を用いて操縦者の運動をロボットに向けて変換した場合と,操縦者の運動をそのまま実行した場合について,立位時やパンチング動作などを行なった際にロボットモデルの運動継続時間が長くなることを確認した.現在,論文化を進めている.
さらに,ロボットと操作者のリンク長のずれをフィードフォワードに補正するためのパラメータ最適化手法を提案した.具体的には,事前に用意した数種の目標運動を操縦者に行ってもらい目標手先座標に対するずれを最小化するよう最適化問題を解くことにより補正パラメータを得る.最適化した補正パラメータセットをリアルタイム制御時に反映させることにより,操作者が視覚フィードバックを用いずとも自然な運動により想定している操縦を可能とし,操作中の精神的負担や操作習熟の必要のないロボット操作が可能となる.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)