公開鍵暗号用の算術技法における安全性を考慮した効率解析と応用
【研究分野】情報学基礎
【研究キーワード】
情報基礎 / 暗号・認証等 / アルゴルズム / セキュア・ネットワーク / 高速実装 / アリゴリズム / アルゴリズム
【研究成果の概要】
18年度〜19年度は、以下の課題に関して研究を進めた。
(1)Koblitz曲線を用いた楕円曲線暗号のサイドチャンネル攻撃に対する防御方法として、虚二次体の元を秘密鍵の情報によらない固定パターンに展開するτ進数表現を提案した。
(2)公開鍵暗号を実装する群の平方算と乗算は秘密鍵のビット情報に対応している。乗算器に同じ値を入力した場合の消費電力が、通常の乗算と異なることを実験により実証した。
(3)高速な公開鍵暗号方式として知られているXTRにおいて、拡張ユークリッド互除法を改良し固定パターンを有するXTR加算鎖を構成した。
(4)RSA暗号を高速化する中国人剰余定理を利用したRSA-CRT法に関して、現在にまでに提案されているRSA-CRT法及びそれらに対するサイドチャンネル攻撃のサーベイを行った。
(5)標数3の有限体上の超特異曲線を利用したペアリングの最終羃部分を、トーラス群T2の構造を利用することにより50%高速化するアルゴリズムを提案した。
(6)電子署名方式ECDSAの署名検証方法に利用されるマルチスカラー倍算において、Shamirトリックを利用したマルチスカラー倍算において、Joint Hamming Weightが最小となるWindow法を提案した。
(7)高速な公開鍵暗号として有限体GF(p^6m)を利用したXTRを、標数3の有限体上で構成することにより、暗号文の大きさを1/6に圧縮する技術を提案した。
(8)Koblitz曲線のフロベニウス写像τによりスカラー倍算を効率的に計算する方法を考察し、TNAF5において従来7点必要な予備計算を2点にまで削減することに成功した。
(9)ランダム化には射影座標を利用してη_Tペアリングをサイドチャンネル攻撃に対して安全に実装する方法を考案した。
(10)ペアリング暗号に関して、基礎数理、暗号プロトコル、実装技術、暗号応用技術を網羅的に扱った世界で第1回目となる国際会議の予稿集である。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】3,950千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 450千円)