シナジーとリズムに基づく歩行の数理
【研究分野】連携探索型数理科学
【研究キーワード】
シナジー / 運動制御 / 神経筋骨格モデル / ヒト / サル / ラット / 歩行 / 走行 / 左右分離型トレッドミル / 転倒 / リズム
【研究成果の概要】
本研究では、生物の運動制御における冗長性を解決する戦略として広く示唆される低次元構造に着目して、ヒト・サル・ラット3種類の異なる生物を対象に、数理科学を中心とした神経生理学とバイオメカニクスとの連携から、歩行に寄与する神経・筋・骨格系の作動原理の数理的な解明を目指した。特に、ヒトの歩行と走行、サルの四足歩行と二足歩行など異なる歩容を形成する低次元構造の共通性と差異、環境変化や外乱に対する低次元構造の制御、転倒を介した歩行と走行の形成原理などが明らかとなった。
【研究の社会的意義】
本研究の成果から、歩行を形成する低次元構造を特徴付ける空間構造(シナジー)と時間構造(リズム)の支配法則の一端が数理的に明らかとなった。数理的な記述は物事の本質を捉えるだけでなく、それができて初めて応用に結びつく。この研究をさらにすすめ、応用していくことで、新たな生活支援器具の開発やリハビリテーション手法の提案などに繋がっていくと期待される。
【研究代表者】