超音波エラストグラフィを用いた抗がん剤投与後に生じる硬結の評価方法の確立
【研究分野】臨床看護学
【研究キーワード】
抗がん剤 / 硬結 / エラストグラフィ / 超音波診断装置 / 超音波 / 血管外漏出 / 点滴
【研究成果の概要】
硬結部位は末梢静脈カテーテル挿入を避けられるため、繰り返しの治療が必要な抗がん剤投与中の患者にとって硬結は大きな問題であり、予防が必要である。しかし、実態も不明であり、確立された評価方法もない。そこで、超音波診断装置(エコー)を用いて、実態調査をし、評価方法の確立を目指した。結果、治療完遂後に生じた硬結と硬結のないケースにおいて硬さに統計的有意差はなかった。また硬結の有無に関係なく、皮下浮腫、血栓、血管壁の異常がみられるケースがあり、エコーを用いてカテーテル留置部位を観察する有用性が示唆された。
【研究の社会的意義】
抗がん剤投与後に生じる硬結を初めて超音波診断装置(エコー)を用いて形態、硬さを観察した研究である。硬結の有無に関係なく、皮下組織に異常(浮腫,血栓,血管壁の肥厚)の観察されたケースがあった。硬結と判定されても痛みも皮下組織異常もなく、更に血管径も十分に大きく、カテーテル留置に適していると考えられるケースがあったことから、エコーを用いることで、硬結によりカテーテル留置部位の選択肢から外されてきた部位もカテーテル挿入の対象になる可能性があり、これまで硬結があるがゆえに、関節近傍や、手背などカテーテル留置に不適とされている部位に留置せざるを得なかったケースを減らせる可能性がある。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【配分額】2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)