家政学と人間工学を融合した家事労働の解析ーケイパビリティ・アプローチを用いてー
【研究分野】家政・生活学一般
【研究キーワード】
家政学 / 人間工学 / 食家事 / 行動 / 動作 / 生活支援 / 文理融合 / 高齢期 / ICF / 高齢者 / 食家事労働 / ケイパビリティ・アプローチ / ケイパビリティ / 生活時間行動分類 / 国際生活機能分類 / 家事労働 / 生活の質 / 生活時間
【研究成果の概要】
本研究から家事労働の「新行動・機能分類コード」を作成し、それを用いた高齢者女性の食家事(味噌汁づくり)映像分析を行った。高齢者と非高齢者の差異は、高齢者は非高齢者の3分の2のコード数で、動作数は半分以下であることであった。高齢者は物を持ち上げたり,置いたりする動作が少ない。差異がみられなかった動作は食材を切るという動作であった。高齢者が長年、繰り返し行なうことで獲得した動作は、長期記憶によって保たれていることが考えられる。こうした高齢者と非高齢者で差異がなかった動作は、高齢者の生活の自立性、主体性に深く関連するものであると考える。
【研究の社会的意義】
本研究では家政学と人間工学の両学問領域の長所を生かし、人間工学の生活機能分析による詳細だが断片的なデータを家政学研究の生活実態把握分析の形に変換し、新データ収集技術を探った。ここに本研究の学術的意義があると考える。家政学と人間工学の双方からのアプローチによる家事労働研究は、国内はもちろん国際的にも存在せず、本研究は新たな分析手法を提示すると共に新たな学術領域の創造に向けての挑戦となり、社会的な意義がある。
【研究代表者】