人工知能による乳房超音波診断支援システムの精度向上と実用化の検討
【研究キーワード】
人工知能 / 超音波 / 乳房 / 乳がん検診 / 乳がん / 乳房超音波検査
【研究成果の概要】
近年の乳癌患者の増加に伴って乳房超音波検査の重要性が増しており、その精度管理は急務であると考えられる。これまでに我々とIT企業の共同研究により、人工知能(AI)による画像解析で実績のあるConvolutional Neural Network技術を用いて、AIによる乳房超音波画像診断システムを開発し、すでに特許出願を提出した。(特願2019-034978)このアルゴリズムを使用した最新の診断システムは判定時間0.04秒で、感度91.8%・特異度91.4%の精度で腫瘤性病変の判定を行い、リアルタイム診断にも対応可能である。また、国際的な診断基準であるBI-RADS判定にも対応している。本研究では、システム精度向上を目的として、症例画像提供に協力する共同研究施設によるコンソーシアムを設立し、教師データとなる乳房超音波画像の蓄積10000症例を目指す。さらに、対策型検診における乳房超音波検査の二次読影によるダブルチェックをAIが施行することを目的とし、前向きの臨床試験を遂行することにより、PMDA審査承認による実用化を図る。本研究の進捗により、国立がんセンター中央病院、国立がんセンター東病院、帝京大学、杏林大学、国立病院機構東京医療センター、埼玉医科大学とのコンソーシアムが立ち上がり、すでに7000枚を超える教師データの蓄積が行われた。今後は対策型検診において行われた乳房超音波検査の画像に対してAI診断を適用し、人間による診断との対比・検証を行うとともに、ユーザーインターフェースの改善も同時に行っていく。
【研究代表者】